■きっかけ
1999年の6月、ひさしく触っていなかったDirectorを立ち上げ、LINGOの実験がてら放物線を描いて移動するプログラムを打ち始め、三角関数をおさらいしつつ投射のルーチンや、射出速度を変化させるルーチンなどを手当たり次第打っていました。
実は、この時点ではゲームにする予定はなかったのですが、ボールの射出ポイントに女のコのグラフィックを置いてみたのがゲーム作りとしての第一歩になったのです。
おかしな話しですが、小学校時代にBASICでゲームを作ったりしたときも、無計画、いきあたりばったりで作ることが多かったので、この成り行きは僕としては、ごくいつもどおりの展開でした(笑)。
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【Director】
macromedia社のオーサリングソフト。ver.6以降はShockwaveを作るソフトとして知られることになりますが、初期の頃はいわゆるインタラクティブメディアの制作のためのソフトでした。
【LINGO】
Director専用のプログラム言語。オブジェクト指向だが非常に分かり易く、N88-BASIC程度が理解できれば誰にでも習得可能。
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■バグだらけのVersion 0.9
同年9月にロリぷに系の同人誌即売会があり、それにまにあわせるために8月あたりから急ピッチでゲームとしてのプログラムを進めていったのですが、やっとゲームらしいカタチになり始めたVer.0.9あたりは、お話にならないバグの応酬でした。
まず、反射ルーチンが無限ループしてしまう現象。これは、ある程度以上反射があったらイレギュラーバウンドをするようにして回避。
次に、これは素人プログラマーが一番陥りやすいミスらしいのですが、弾のスピードが上がると障害物をすり抜けてしまう現象。これは、2ドット単位で補完して計算するプログラムで回避しましたが、この際わざわざ某ゲーム会社の社長をやっている愛瀬氏に相談をもちかけたりしました。…今考えるとメイワクこの上ないうえに恥ずかしい…。
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【ver0.95】
この時点ではパワーゲージが無く、感覚で1秒を測ってパワーを決めるといったものでした。
当然、テストプレイでは不評だっんで、今のようなパワーゲージがつきました。
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■こずえちゃん大爆発!
即売会1週間前あたりから、大慌てでご褒美画像を描きつつデバッグを繰り返していたのですが、この時期におきたバグが一番妙だった。
・弾が反射してこずえちゃんにぶつかると、
こずえちゃんが爆発して10点加算!
・投球モーションの後、弾はその場に残り、
こずえちゃんが飛んでいって爆発!
・弾が標的にぶつかった時、弾も標的も無事で、
やはりこずえちゃんが爆発!
他にもいろいろあったんだけど、この3つが特におかしかったし、結果的にゲームのタイトルの由来がこの一連のバグだったというのもあって、思い出すと感慨深い。
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■売れないゲーム
即売会当日、ようやく完成したVer.1.0をFDにパッケージングして搬入したのですが、当日売れたのはたったの4枚。見た目は同程度のソフトが周りで売れて行く中、寂しい思いをしました。
売れなかった理由の一番は「Mac専用ソフト」だということだったんじゃないかと思います。
その後も何回かイベントで売ってみたものの、あまり売れ行きは芳しくありませんでした。
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【Mac専用ソフト】
DirectorはMac版はMac専用、Win版はWin専用のアプリケーションしか作れないという特性があるので、当時Mac版しか持ってなかったためWin用のゲームを売ることが出来なかったのです。
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■キーウェア版
イベントでの販売をあきらめた僕は、HP上でキーウェアとして販売することにしました。
ダウンロードして遊ぶことはできるけど、シェア登録をしないとご褒美画像は見れないという方式にして、HPに置いておけば、イベントよりは効果的かつ気長に売れると思ったのですが、結局シェア登録をしてくれた方はほんの僅かでした。
ただ、ダウンロードしてくれた人は、それなりに多かったようなので、より多くの人に遊んで貰えたならそれでいいかと居直り始めました。
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【ver1.66】
キーウェア版の際にバージョンアップして、一部のグラフィックが差し替わり、ステージ数が10から16に増えました。
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■Director8.5
2002年の4月中旬。とある事情で非常に安価でDirectorの最新版8.5を入手することができました。
それによって、ついに念願のShockwaveファイルを作ることが可能になったのです。
Shockwaveならプラットフォームにしばられないので、Winの人にも遊んで貰えます。
既に3年ちかい歳月が経っていて、キーウェア版もいつのまにかサーバから無くなって、忘れ去られていましたが、Director8.5を入手したときに真っ先に思い出したのは「こずえちゃん」のことでした。
「もう、こずえちゃんを売るのはやめよう…。」
売ることよりも、より多くの人に遊んで欲しかったので、Director8.5をインストールして最初にした作業が、「こずえちゃんBOMBER」のShockwave版制作でした。
この際、キープロテクトを外し、新機能としてネットランキング機能を追加して、それなりの評判をいただけるようになりました。
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【ver1.96】
Shockwave版。Ver1.66まではDirecor4で作っていたため、一足飛びでDirecor8.5にコンバートすることができず、それなりに苦労をするハメになりました。基本的にネットランキング機能以外はver1.66と同じ。
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■そして2へ
第一回ネットランキング佳境に入ったころ、気を良くした僕は2の制作に入りました。
とはいっても、1のプログラムのドット絵の書き換えやら、プログラムの見直しをしているうちに、かなり別物になってしまったという事と、すでにバージョンが1.9に達していたこともあり、ステージやらゲーム性の変更をほどこして2の制作ってことになったというのが正しいのかも。
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【ver2.0a】
グラフィックやインターフェースの一新と、物理法則の若干の変化。番号のない障害物などが2への変更点。得点システムも見直し、各ステージでの残弾数によって点差が大きく開くようになった。
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■おまけ(こずえちゃんの遍歴)
バージョンが上がるたびに、実は微妙にこずえちゃんのドット絵が変わってます。
2になって大きく変わりましたが、1の頃も何度か変わってたんですね。
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